サンタの挑戦
第4回 ボクの働きをおカネにすると…

家業を手伝い始めてからすでに4カ月が過ぎ、新しい年を無事迎えることができた。昨年末までは何かと雑用も多く、忙しかった。いろいろと考えたいこともあったが、とにかく余裕がなかったんだ。マリコが言っていた「今度はサンタのお店に・・」も気になっていたし、もっとスッキリしないこともあった。
そう、手伝い始めてからボクは一度も給料をもらっていないのだ。そして、ボーナスも!もちろん実家にいるから生活費はかからないが、その代わりのタグ働きだとしたら「居候」じゃないか。これじゃ毎日流されているだけで、労働意欲は失せていくばかりだ。そこで、正月休みに家族が揃ったところで(あのアタロウ兄さんも)ボクから話を切り出した。

サンタ「あのさ、サラリーマンの頃のように給料が欲しいんだけど・・」
父「なに?おまえ、まだ見習いだろ!それに家賃も食費もいらないんだから、不自由しないだろう?」
サンタ「?」(こう言われるとわからなくなる)
母「でもね、お父さん。サンタだってお小遣いが必要でしょ。ね、サンタ」
サンタ「違う!小遣いじゃなく給料だよ!労働の代価!」
母「どう違うの?」
姉「そうね・・・私は他のお店と同様に売上の30%をマージン(給料)として受取り、家賃とか経費を払う独立採算だけど、サンタも家事手伝い(?)から抜け出さないと・・・」
兄「だいたいね、このウチは『どんぶり勘定』だろ?だからイヤなんだ、オレは!」
父「バカヤロッ、手伝いもしないオマエに言われたかねーや!」
サンタ「それに、国民年金は自分で毎月払っているし、健康保険が扶養家族になっていてはオカシイじゃない」(※サラリーマン時代は厚生年金)
母「そうだねェ、ウチは売上からマージンとかパート代とか経費を差し引いた残りが生活費だからね。お父さんとアタシの給料も全部含まれているんだよ」
父「ややこしい話を・・いいじゃねえか、それで!」

ここで終っていたら、これから先ず~っと暗い気分で過ごすところだった。が、さすがはカナエ姉さん。
柿「ねえ、お父さん。前から考えていたんだけど、もう有限会社にしてみたら?給料だってキチンと決められるのよ」
父母「有限(会社)??」
元来、父はカナエ姉さんに弱いのだ。銀行勤めだったカナエ姉さんは、法人化(有限会社の設立)について説明を始めた。
そうだよ。中身は家族経営でも形態は組織的にならなくちゃ!本当は「仕事」と「家族」のケジメをつけなければダメなんだ。

サンタの挑戦

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