最強のユニット論
第5回 本当に基準はあるか?

あなたのお店の品質基準設定の経過を振り返ってみてほしい。
まず、品質基準が何に基づいて検討され、設定されたか、明確にされているだろうか。そして、それはいつ頃のことなのか。まさか、2年も3年も前・・・ひょっとして、先代社長が決めたものが、そのまま引き継がれているのではないだろうか・・・いや、もしかしたら、あなたのお店には品質基準など存在してないのでは・・・。

実は、そう思えてしまうような現状がある。多忙なときと、暇なときと作業手順にはかなりの違いが見られるが、できあがった品物がチェックポイントを通過する際に、チェックも修正もされていないケースが多い。そもそもチェックポイントなど考えたこともないのが、大多数ではなかろうか。
全国統一の基準という意見もあるが、せめてあなたのお店だけにでも、守るべき品質基準をつくってみたらどうだろうか。そんな面倒なものは不要だ、品質はいままでも立派にお客に通用している、という人も少なくないが、この厳しい時代を生き残るために、品質基準の設定は、絶対に必要な条件になってくるはずである。

品質基準を守るためには原材料の見直しも必要であり、諸機材を正しく調整し、作業手順を確立して生産性を向上させる。これが顧客に対して、一級の商品を提供し続ける要であり、一級の営業と相まって、はじめてお店の繁栄が約束される。

前にも述べたように、クリーニングの品質を統一した基準で規制することは到底不可能なことである。であるから、品質基準の問題は業者自身の大きな自衛手段なのだ。規模の大小を問わず、本当にこの仕事を愛しているのなら、この問題に真剣に取り組んでほしい。特に中小のお店は、小さくてもダイヤモンドのように輝く存在となるように勉強、研究してもらいたいと思っている。