年頭所感

一般社団法人 日本リネンサプライ協会

会長 堀井 正隆

堀井会長

 明けましておめでとうございます。

 日頃から日本リネンサプライ協会への格別なご支援、ご協力を賜りまして、誠にありがとうございます。

 私は昨年6月に、敬愛する山田 修氏の後を継いで第13代の会長を拝命し、役員諸兄そして全国の会員の皆様方に支えられながら、協会のため、業界全体のために精一杯職務に励んでおります。差し当たり、会長直属の「理念策定ワーキングチーム」を編成し、6月の総会・セミナーでお披露目することを目指して、新たな「協会の理念」づくりを鋭意進めていますのでご期待ください。

 さて、振り返りますと、昨年は、コロナウイルス感染症(以下、コロナ)が感染症法上の2類から5類に移行したことにより、世の中の流れが一気に変化しました。コロナが蔓延し始めた2020年から約3年間、大変な時期を会員企業・ホテル業界は過ごしてきましたが、この数ヶ月で忘れかけた「活気」を漸く取り戻し始めることが出来たように感じます。そのような中で、いま業界・会員企業の皆様は多くの共通の問題に対面しています。

 第一に、労働力不足の問題です。生産性が逓減し、労働力の調整を余儀なくされたコロナ禍の3年間を経て、昨年はホテル業界の稼働率の急激な上昇に伴い、リネンサプライ業界も忙しくなり、各社とも残業体制が長期化し、生産量調整も見られる状況になっています。今後、海外からのインバウンドの盛上りが予想されます。より一層の労働力確保、人への投資への注力が求められることになりそうです。

 第二に、円安の影響に伴う原材料・資材費の高騰です。昨年は、幅広い商品の値上げが行われました。もちろん、企業努力が前提の上ですが、関係業界の理解を得ながら、適正に費用を転嫁し、健全な企業経営が求められる段階にあると思います。リネンサプライ業界として、世の中における価値をより高いものにすることで、実現できるようにしていきたいと思います。

 第三は、2024年問題と呼ばれるドライバーの労働時間上限設定が、遂にこの4月に始まることです。リネンサプライ業界はお客様に商品をお届けするところまでが仕事になります。この問題により、運送コスト上昇、ドライバー人材が少なくなることなどが懸念されます。お客様と共に「リネンサプライ配送」の概念の再構築が必要とされるタイミングとなりそうです。

 協会の新年度の諸事業では、各委員会・部会活動の活性化を通じて、リネンサプライセミナー及びリネンサプライ講習会・工場見学会を、時宜を得たテーマを選定し、時間の短縮・合理化を図りつつ実施します。また、技能講習会(初・中・上級)、衛生基準認定制度事業、指定洗濯物検体検査事業及び技能実習評価試験事業等を、会員各社のご協力を頂きながら引き続き適切に実施します。

 一方、外国人材の受入れの問題については、先頃、国の有識者会議から最終報告書が出されました。現行の技能実習制度は発展的に解消され、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度が作られることとなり、新制度の細部については、関係省庁の今後の調整協議に委ねられることになりました。リネンサプライ業界としては、引き続き、現行の外国人技能実習の適正な実施に注力するとともに、新制度の下で、外国人材の必要十分な受入れが可能となるよう、総力を挙げて働き掛けていきたいと思いますので、皆様方のご協力をお願いします。

 結びに、リネンサプライ協会としては、前述した業界内に関わる問題はもちろんのこと、対外にも目を向けて他業界の問題解決になりうることも次のステップとして検討していきたいと考えます。まずは、お客様であるホテル業界の付加価値を上げることに、リネンサプライ協会として寄与できることを考え、誠心誠意取り組んでいこうと思いますので、関係各位の格別のご理解、ご協力をお願いいたします。

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