年頭所感

全国クリーニング協議会

会長 髙木 健志

髙木会長

 明けましておめでとうございます。

 皆さまには、輝かしき新春をお迎えになられたこととお喜び申し上げます。

 昨年を振り返りますと、まず日本史上で大きな節目となった新元号「令和」が5月よりスタートしたこと、10月に消費税率が10%に引き上げられたこと、が大きな出来事でした。明るい話題としては、ラグビーワールドカップで日本代表が「ワンチーム」としてベスト8入りする大活躍、吉野彰氏のノーベル化学賞の受賞などは世界に誇れる日本の誉れでした。一方、つらいニュースとしては、色々な事件・事故が多発したことに加え、9月~10月に連続して発生した巨大台風によって自然(風・雨)の猛威が全国各地に大きなダメージを浴びせました。そのつど、「過去に経験したことのないほど甚大な…」という言葉を何度も聞きましたが、実際は毎年しかも何度も大きな災害が発生していることを考えると、私達は「今年も必ず何かが起きる」という認識を持ち、国・自治体・企業・個人それぞれに可能な限り準備・対策を講じ、最も大切な命と生活をする上での家・地域を守っていかなければならないと思いますし、同じような悲劇や苦痛をもう誰一人として味わなくても良いようになって欲しいと願っています。

 また、経済界で特筆すべき一つにYahoo!とLINEの合併が発表されました。目まぐるしく変化する時代背景の中で世界戦略を見据え手を組むようですが、「まさか、こんなことが実際にあるなんて。」的なことが、ある意味ごく当たり前に起きています。私達は、このように今までの常識や概念からつくられた案件・状況・決定事項などを随時、見極めながら時代の潮流に乗り遅れることのないよう情報収集やシステム構築などに注力しなければならないと感じています。

 さて、当業界に目を向けますと、何年も前から継続して抱えている(解決まで至っていない)課題が多くあります。代表的なものとしては、事業承継、需要減と諸経費の高騰による利益の圧迫、最低賃金の底上げおよび人材の確保・育成に起因する人件費の高騰、キャッシュレス機能の構築、店舗展開とEC事業の連動・連携などが挙げられます。 業界としても各企業としても、即座に対応せざるを得ない項目が、次から次へと出てきています。改めて、我々は今まで業界で当たり前と言われてきた、または続けられてきたシステムや方法などハード面・ソフト面を含め全ての「常識」を一度、白紙に戻すぐらいの意識を持ち感性を磨きながら一つひとつ変革していくことが、本当に必要となっているのではないでしょうか。春の繁忙期に需要拡大という大義名分のもと“業界の常識だから”“他社だっていつも行っているから”という発想のもとで、色々な手法を駆使しディスカウント(値引き・割り引き)合戦を何十年もの間ずっと続けてきていますし、現在も各地において継続中の状況です。

 しかし、これからの時代(もう既に始まっていますが)に目を向けた時、低価格戦略がクリーニング業界として最優先の価値であるなら、将来の業界の発展に繋げていくには極めて難しいと捉えています。やはり、お客さまの期待やニーズにお応えすること、お困りごとを解決させていただくこと即ち、お役立ちの価値を見出し、お一人おひとりにきちんと向き合うことで、「ありがとう。あなたに頼んで良かった。」という関係性をどれだけ築いていけるかが、すべての礎になっていくと信じでいます。

 最後に、今年1年が関係各位の皆さまにとって素晴らしい年になりますよう、心からお祈り申し上げるとともに、業界の発展と全協としての方向性・諸活動に更なるご理解・ご協力をよろしくお願いいたします

年頭所感

バナー広告案内