あけましておめでとうございます。
昨年10月には、「ドライクリーニング及びウエットクリーニングにおける繊維製品のケアの実態に対応する」(序文)とする日本工業規格L0001が公示されました。
この規格以前の日本工業規格L0217では、「家庭における洗濯などの取扱方法」(適用範囲)とされており、商業クリーニングは対象外とされていました。
この新しい日本工業規格が実施されることによって、クリーニング業法施行以来、実に65年の時を経て、初めてアパレル製品に商業クリーニングに対する情報提供が義務化されるというになります。
1970年代以降、染色や樹脂類を使った加工の多様な発達や、劇的なファッション化など、従来の商業クリーニング装置では画一的に処理することのできないアパレル製品群が拡大してきました。このためクリーニング業者は、アパレル新素材や加工に関する困難な情報収集に努めなければならず、その情報を生産や消費者対応に応用することに苦慮してきたと言えるでしょう。このようなことから、この新規格の施行は商業クリーニングの歴史上画期的なことであるといえます。
この表示規格は、繊維製品の商業クリーニング実用機による試験によって表示を決めることを原則としています。しかし、繊維製品試験機関のほとんどは、商業クリーニング実用機を設備していないのが実態です。また、化審法や消防法などの法的な規制によって、新設することも困難であるといえます。このため既存の装置を所有している商業クリーニング業者の協力が必須となります。商業クリーニング業者が、アパレル品質表示者に対して適正な表示を可能にできるように積極的に協力しなければなりません。
このような新しい関係から、テキスタイルケアという立場から、クリーニングとアパレルとの情報交流を推進していくことによって消費者利益を守り、相互の産業が協調しながら発展していく新時代の幕開けとなることを、この新年に祈念いたします。
|