新年明けましておめでとうございます。おかげさまで全国クリーニング協議会結成45周年という節目を迎えることができました。これも会員はじめ業界関係者の日頃のご理解、ご協力の賜物と心より感謝申しあげます。
さて、この機会に約半世紀にわたるドライクリーニング史をざっくりと検証しこれからの業界を展望してみたいと思います。
61年
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クリーニング総需要約900億円
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64年
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(東京オリンピック)高度成長期(人手不足)需要の高まりと取次店舗の増加
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69年
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クリーニング総需要1,600億円。
全ク連による取次店規制に反対する全国各地の有志が集い、全国クリーニング協議会が結成される。需要の拡大、取次店の普及とともに集中工場全盛期を迎える。
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*集中工場の象徴
トンネルフィニッシャーが米国で使用されていることをニュークリーナーズ一号誌で毛利可淳氏が紹介している記事が興味深い。
この頃米国IFIより「ストーム・ワーニング」が世界に発信される。
*「ストーム・ワーニング」(暴風警報)
米国でドライクリーニング総需要が半減したことを報じるニュースが伝わる。タイトルから1、2年のごく短期間に半減したと考えられたが実際には10年間ぐらいの間に半減した。
その原因と理由をIFIが検証。長引く不況、化学繊維の台頭、カジュアル化など考えられたが最も見逃せない要因にドライクリーニング業者のお客への無関心から起因するサービスと技術の低下を挙げ、結果消費者のドライクリーニング離れが加速したとし、世界各国が米国と同じ轍を踏まぬよう警告した報告書。
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92年
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クリーニング総需要8,000億円超。この年がピーク。ドライクリーニング一兆円産業時代到来かと囁かれた。バブル崩壊その後のデフレ現象などでマーケットの大変化が起こる。
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08年
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リーマンショック
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14年
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(現在)クリーニング総需要3,800億円
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過去の歴史からの教訓として、何故米国同様日本においてもクリーニング総需要が半減してしまったのだろうか? 確かに需要減退傾向は否めない事実ではあるが、環境の変化に適応できないものは淘汰されるとする「進化論」を引き合いに出すまでもなく、時代やマーケットの変化への対応力も足りなかったのではないか。保護と規制による保守的体質は、結果時代に取り残されることになったと同様に、かつての取次店システム=大型集中工場の成功体験からの脱皮を図り、今一度全協結成時の理念である「競争」と「協調」の原点に戻り新たな業態への取り組みが問われている時ではないだろうか。
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