花王株式会社(本社東京、尾崎元規社長)ファブリック&ホームケア研究センター・ハウスホールド研究所は、衣料用柔軟剤の効果発現メカニズムを解明した。
衣料用柔軟剤が効果を発現するメカニズムは、一般的に「繊維間の摩擦の低減が原因である」といわれているが、詳細についてはわかっていなかったという。そこで同研究所では、柔軟剤がどのようなメカニズムで洗たく・乾燥後の木綿の衣類やタオルをやわらかくするかを科学的に解明することを目的に研究。「なぜ濡れたまま自然乾燥すると硬くなるのか」という点に着眼した。
その結果、硬くなる原因は、木綿の単繊維間に残る水分子(結合水)が繊維同士を結びつける接着剤のようなはたらきをして、硬い結合(糸や布全体に及ぶ結合水を介した水素結合ネットワーク)を形成するためということを明らかにした。
このメカニズムが明らかになったことで、従来の繊維同士の摩擦を低減するということではなく、結合水を介した単繊維間の水素結合ネットワーク形成を阻害するという新しい概念で、柔軟剤が開発できるようになったとしている。
この研究成果を同社では、超コンパクト柔軟剤「ハミングNeo」の開発に応用している。
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