日本政策金融公庫は生活衛生関係営業の景気動向等調査結果概要(平成22年4〜6月期)を発表した。
平成22年6月上旬、生活衛生関係営業3,220企業を対象に個別訪問面接方法で調査したもので、うちクリーニング業は251企業。
今回の調査結果の中からクリーニング業についてみてみたい。
調査では「良い(増加・黒字・好転)企業割合−悪い(減少・赤字・悪化)企業割合=DI」として表しているが、売上DIは今期4〜6月は▲48.2だった。前期1〜3月の▲68.0より上昇した。
今期は繁忙期に当たるため、採算DIは12.4で、前期▲46.8から大きくプラスに転じた。
業況DIも2.0と、前期▲80.8から大幅に上昇した。
利用客数DIは▲54.2で、前期▲70.0より上昇。
客単価DIは▲43.4で、前期▲54.0より上昇。
設備投資実施企業の割合は8.0%で、前期6.0%から上昇している。
来期以降1年間の設備投資計画については、「予定あり」3.2%、「未定」19.9%、「予定なし」76.9%で、昨年同時期の調査時よりも「予定なし」が増えている。
経営上の問題点(複数回答)で多かったのは「顧客数の減少」73.3%、「客単価の低下」55.8%、「仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難」26.7%の順。「特に問題なし」としたのは5.2%だった。
今期の業況に対する判断理由の特徴的なものとしては次のとおり。
【大阪府】不況下にあって、新しく始めた宅配サービス利用客がジワジワ増加中で、売上は増加している。
【奈良県】衣替えのシーズンで好転を期待したが、天候不順で冬物の衣類や毛布がなかなか出なかったのでセールを実施した。そのため客単価が減少し、結局前期と変わらなかった。
今回、景気動向等調査とあわせて「生活衛生関係営業の金融機関との取引状況」の調査も行っているが、その中からクリーニング業についてみてみると、金融機関(政府系金融機関を含む)からの借入状況は「借入あり」47.4%、「借入なし」52.6%だった。
1年前と比べた借入金残高は「増加した」21.0%、「ほとんど変わらない」30.2%、「減少した」60.5%だった。
借入金残高の水準に対する意識をみると「過大である」35.3%、「適正である」51.3%、「過小である」13.4%。今後1年間の借入金残高の方針をみると「増やす」6.7%、「現在の水準を維持する」21.0%、「減らす」72.3%。
借入金残高に占める設備資金の割合をみると、「50%未満」54.6%、「50〜69%」9.2%、「70〜89%」9.2%、「90〜99%」5.0%、「すべて設備資金」21.8%だった。
金融機関に期待していることは「借入金利が低いこと」80.1%、「担保や保証条件が柔軟なこと」56.2%、「書類の簡素化」30.7%の順だった。
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